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 歴史に残る伝説のアウトロー達  

1 名前:代理で我慢する男 ◆uQ2fqR.o :02/08/09 03:01 ID:xVnxwjbw
ここでは歴史に残るワル達の伝説を語っていこうと思います。

第一回「悪魔のキューピー大西正寛」

戦後間もない広島・呉でのヤクザ抗争”仁義なき戦い”において、
その男の名を知らぬ者は誰一人としていなかった。
男の名は大西正寛、通称「悪魔のキューピー」。
その異名の通り、とてもヤクザとは思えぬあどけない風貌から
予想もつかぬ残忍性は、広島・呉のアウトロー、そして仲間までをも
震え上がらせた…。

2 名前:(:ё:)メトロポリタン・トラベラー ◆travelsA :02/08/09 03:03 ID:8fuow2/Q
詳細について語っていただけるのでしょうか?

3 名前:名無しさん :02/08/09 03:07 ID:I8.zaMKI
>>2
今からチビチビ語ります。

4 名前:名無しさん :02/08/09 03:08 ID:I8.zaMKI
>>1
代理スレ立てありがとうございます。

5 名前:名無しさん :02/08/09 03:09 ID:I8.zaMKI
●天使の顔の下にあった悪魔の素顔”悪魔のキューピー”大西正寛

予測するのは不可能だった。

この男には危険な匂いがまったくないのだ。腕に覚えのある強者ほど、
このトラップにハマる。勝ち目のある人間をターゲットにするのは、
喧嘩士の経験則だからである。

いったい何人のチンピラ、愚連隊、ヤクザがこの罠にハマり、踏み潰されたことか。
華奢な体躯にベビーフェイス。声色も優しく、物腰もまた静かだった。
笑うとなんともいえない親しみがあって、まるで純真無垢な子供のようにも見えた。
だから、なにも知らないチンピラにとっては格好のカモにしか見えない。
知らぬが仏とはまさにこの事だ。

「兄ちゃんよう、どこ行くんかのう」
ニヤニヤ笑いながら、坊やを取り囲み声をかけた。
その瞬間、穏やかな菩薩が阿修羅へと変わった。

「いまなんて言ったんない」

眉間にシワが寄り、目尻がピクピクと痙攣した。
さっきとはまるで別人の形相で、チンピラ達にも動揺が走った。
「おやっ」とレーダーが反応する。しかしもう遅い。
こうなれば誰もこの男を止める事はできないのだ。
無知は自分の血で贖う。それが暴力社会のルールである。
まともな会話を交わす間もなく、チンピラ達は血の海に沈んだ。
何事もなかったように阿修羅は菩薩へと戻った。

いつしか、この危険人物は「悪魔のキューピー」と呼ばれるようになった。
彼の名は大西正寛。戦後の広島・呉でもっともヤバイと言われたヤクザである。
暴力を信奉するヤクザ社会では、見るからにヤバイ人間はそうヤバくなかったりする事が多い。
抗争の際、たった一人で敵の事務所に乗り込んでいくような強者は、
決まって普段は大人しく物静かな若い衆だ。また暴力的な伝説を持つ親分達をみても、
体型に恵まれた人物はほとんどいない。命を懸けた殺し合いは、
決められたルールの中で闘う格闘技とは似て非なるもの。
勝負の明暗を分けるのは、腕力ではなく胆力なのである。

6 名前:名無しさん :02/08/09 03:12 ID:I8.zaMKI
●戦争でさらに磨き上げた暴力性狂犬・大西の名は広島、呉に轟いた

大西はヤクザになる以前から凶暴だった。
高等小学校では教師を文鎮で殴りつけ、即日退学処分。
職人となってからも、多くの暴力事件を起こしている。
なかでも16歳の時に呉・広の食堂で起こした事件は
地元の不良達を震撼させた。
軍人と言い争いとなった大西は刺身包丁で腹部を刺したのち、
相手の耳をそぎ落としてしまうのである。
ヤクザ組織の入社人事は堅気の会社の基準を180度ひっくり返したものだ。
過去の事件は、それが暴力的であればあるほど輝かしい経歴になる。
大西はこの事件であっという間にシード選手となった。
ドラフト会議では常に一位指名であり、彼を欲しがる組織はいくらでもあった。

大西を獲得したのは、呉の土岡組である。
歴史は浅いが、中国の博徒社会では、西の籠寅(現合田一家)か
東の土岡と言われ、大西が進むには順当な進路といえた。
しかし、日本は戦争に突入、大西もまた中国戦線に送られ、
大物ルーキーの活躍はしばらくお預けとなった。
戦争はこのルーキーをさらに磨き上げたと言ってよかった。
一説によれば、大西が斬り捨てた敵兵は二桁を軽く越すと言われる。
殺人を正当化する戦場という異常な空間が、大西の凶暴性を加速させたのだ。
処刑も決まって大西の役目だった。嫌な役目を仲間にさせたくないという
大西流の思いやりである。
捕虜は迫り来る死を悟り必死に抵抗した。

「ええか、苦しまんよう一発であの世に送ってやるけん」
言葉など分かるはずもないが、大西は必ずそう声をかけ、
それを合図に日本刀を振り下ろした。
捕虜の首が飛び、大動脈から噴水のように血しぶきが噴出した姿を見て、
大西の心に無常観と生命の軽視が生まれていった。
殺してもなにも感じない。まさに異常な心理である。
殺戮を繰り返したベトナム帰還兵が心の病を認められるなら、
大西とて同様だった。ただこの時代にはセラピーなどという気の利いた言葉も、
トラウマという観念もない。原因は省みられず、大西は殺人鬼と片づけられただけだ。

7 名前:名無しさん :02/08/09 03:13 ID:I8.zaMKI
復員後、土岡組に戻った大西はその凶暴性を存分に発揮した。
他者の命も、そして自分自身の命も鴻毛の軽き。
人の命などまるで虫と同じ感覚だから、死にたくなければ逃げるしかなかった。
抜けば刺す。構えれば撃つ。そこには駆け引きもブラフもまったくないのである。
時に無鉄砲な人間が勝負を挑めば、その度にひどく凶暴なやり方で
徹底的に打ち据えた。映画館の警護で行った不良狩りでは、
同じ土岡組の人間すらその残忍性に肝を冷やした。

大西が土岡組の前線指揮官となったのは当然だった。
当時の呉では、土岡組と小原組・山村組・海生組の三派連合が
裏社会の覇権を巡って激しく対立している。
中でも小原組は海生組の援助を受け意気軒昂であり、
同じ阿賀を本拠として、なにかと目障りな存在だ。
さなぎは羽化する前に駆除してしまえば労力も少ない。
先制攻撃は大西が仕掛けた。

昭和21年8月14日、盆踊りの夜。
「行くど」と叫んだ大西は土岡組の土岡正三親分とともに、
祭りの雑踏に飛び出して行った。祭りは不良のステージだ。
肩で風を切って歩く小原組親分小原馨はすぐに見つかった。
裏の畑に連行し威圧するが、小原はそれぐらいでビビル相手ではない。
「馨、観念せいや」大西は処刑される捕虜に引導するがごとく
そうつぶやくと、ためらいなく日本刀を振り下ろした。
小原の左腕は根元から切断され、地面で芋虫のようにのたうった。
さらに小原の舎弟磯本隆行が急を知って駆けつけると、
大西は磯本の右腕を切り落とした。このくらいやらなければ
呉のヤクザ社会では脅しにならないのである。

8 名前:名無しさん :02/08/09 03:14 ID:I8.zaMKI
●三派連合の大西懐柔作戦は成功する、しかし破滅は確実に近づいていた…

小原組に加えられた攻撃に震撼した三派連合は、
大西との直接対立を避け、懐柔作戦へと切り替えられた。
大西は感情の起伏が激しく、激高すると自己コントロールが不完全となるが、
激情家の常で多感で情にほだされやすい。
篭絡するのは、恐らくさほど難しい事ではないし、
その後大西が激高するツボをうまく押せば、土岡組に対してキレるだろう。
こうなればなにより強い味方であり、そのうえビッグネームの離反は、
土岡組に大きなダメージを与える。
だが、大西には致命的な欠点があった。「仁義なき戦い」中にも
それを髣髴させる言葉がある。

「もし警察が来たら、かまわん、撃ち殺せ!」
邪魔者は暴力で排除する。大西にとって、相手がたとえ警官であっても
そのスタンスは変わらないのだ。
これではまるで誰彼なく噛み付く狂犬と変わらなかった。
ヤクザの暴力行為は後の精算を考え十分な計算がなされるが、
大西にはそれができない。だから大西はヤクザとしても不適格者であり
正式な組織の人間とするのは大きなリスクが伴うのだ。
土岡博を殺害させ、あとは使い捨てる。それがベストのシナリオだった。
やられたらやり返すのがヤクザの論理だが、
腕をもぎ取られた小原には沈黙してもらうしかない。
懐柔は世故に長けた山村組山村辰夫組長が担当した。
山村組長は大西が土岡正三と賭場の上がりで揉めている事を聞くと、
すぐさま接触を開始する。心の隙にうまくつけ込んでいく。
他人の女を奪うやり方と同じである。
大西は見事にこの落とし穴にハマった。小原組の内紛を助け、
殺人の手助けすら行なったのだから、三派連合は見事な役者だ。
死と隣り合わせた瞬間に居合わせると、人間の新密度は急激に深まる。
この時点で大西はもはや、心情的には土岡組の人間ではなかったかもしれない。

9 名前:名無しさん :02/08/09 03:14 ID:I8.zaMKI
将を射んとせばまず馬から。山村組長は女房同士を仲良くさせ、
それをきっかけに大西の面倒をみるようになった。
ほどなくして山村組長は大西の陥落に成功。
二人は土岡組長の暗殺を謀議する。
実行犯として白羽の矢が立ったのは山村組の美能幸三、
言わずと知れた「仁義なき戦い」の主人公である。
美能はたった一人の兄貴分に実行犯をやらすわけにはいかないと
実行犯を買って出たのである。

昭和24年9月27日、大西愛用の32口径モーゼル拳銃を手渡された
美能幸三は、広島市猿候橋の路上で土岡博と河面清志を襲撃した。
病院に運ばれた土岡博は意識不明の重体となったが命は取り留めた。
失敗だが、これ以上大西に関わればなにをしでかすかわからない。
三派連合はもはや大西に見切りをつけた。黒い空気が呉に流れた。

昭和25年1月4日、妻と一緒に呉の本通りを歩いていた大西は、
些細な事から人夫と喧嘩になった。いくつもの指名手配を受けていた
自覚からさすがの大西にも自制心が働いたが、
人夫が大西と名乗った事で起爆装置にスイッチが入った。

「わしの名を騙るんかい」

大西は人夫を神社に呼び出し、迷うことなく後頭部を撃ち抜いた。
たまたま同性だった事が双方の悲劇だった。
警察は威信を懸けて殺人鬼の捜索に乗り出した。
匿名の電話で山村組顧問の岩城宅に潜伏しているとの情報をつかみ、
大捜査網がひかれた。午前3時、警察は一気に岩帰宅に突入、
大西の姿を探した。そのうち一人の警部が盛り上がった布団を見つけた。
恐る恐るゆっくり剥いだ。

「死ねや」

静寂に不気味な声が響く。
銃口がまばゆい光を放った。さらに引き金を引こうとする大西。
逮捕は無理と判断した警察は大西を射殺した。
いったい誰がチンコロしたのか、それは謎という事にしておこう。
ただ、その後大西の実母が山村組長と談判し、
莫大な金を手にした事だけは記しておきたい。

大西の最後を伝える新聞記事には、大捕り物で殉職した警官2名は、
憎むべき殺人鬼と戦った名誉の死として取り上げられた。

10 名前:名無しさん :02/08/09 03:15 ID:I8.zaMKI
とりあえずこれが書き溜めしていた分です。

後日また別の人物も取り上げますので。

11 名前:ウンコで我慢する男 ◆uQ2fqR.o :02/08/09 03:35 ID:xVnxwjbw
濃ゆい...
ちなみに映画の「仁義なき戦い」では誰が演じてたんだ?


12 名前:名無しさん :02/08/09 03:45 ID:I8.zaMKI
>>11
梅宮辰夫と江夏豊が演じておりました。
キューピーみたいな可愛い顔だから「悪魔のキューピー」なのに江夏です。(w

正直納得のいかない配役ではありました。
映画の方はあまり詳しくないんですけどね。

13 名前:名無しさん :02/08/09 17:01 ID:kTNu8.ck
あげ

14 名前:名無しさん :02/08/09 17:23 ID:EptWnU4s
本で知ってる人多いから、別の人物でやれよ。

そのまんま抜粋しすぎ

15 名前:名無しさん :02/08/09 23:49 ID:UqN3j/WU
面白かった期待上げ


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