元のスレッド
聞いたところの断片によると
- 1 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/27 14:18 ID:w2k.uNdA
- 「いつもそうだった」
初めてこちらを向いた彼女の顔は涙に光っていた
「ごまかしてばかり」
そう言って同調とも憎しみとも取れない顔で俺を睨んだ
- 2 名前:Classical名無しさん :04/06/27 14:19 ID:JVpsWWBE
- それにつけてもおやつはカール
- 3 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/27 20:50 ID:/XcW3bWQ
- 町には緩やかな傾斜が走っていた
高い建物もない割には路地が狭かった
ワンピースの小さな彼女が無邪気に笑いながら
俺はそれを泣きながら追いかけていた
- 4 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/27 23:56 ID:/XcW3bWQ
- 小学校は八木川に掛かる二つの橋の間にあった
河口近くで潮の干満の影響を受けるので
夏になれば男子も女子も関係なく
潮干狩りや貝集めなどに興じた
- 5 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/28 14:12 ID:dXvliXsU
- いつも決まった時間に橋を渡る鈴木さんという初老のおばあさんがいた
遊ぶ子供たちの姿を見るたびに「気をつけなさい」と声を掛けていた
世事に疎い俺がそのことを知ったのは中学生になってからだった
鈴木さんの長男はこの河で溺死していた
- 6 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/28 20:35 ID:QMaprkWI
- 記憶のどこかを辿ればその場の鮮明な映像が浮かぶなんてことはない
心をちぎれちぎれに漂うよう不思議なものがあるだけ
思い出せるのは勇気無く握れなかったその手だけ
小さな体は激流に飲まれてすぐに見えなくなった
- 7 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/29 00:20 ID:QMaprkWI
- 「よう、深井」
懐かしい顔が揃った中で男が話しかけてきた
「もしかして、俺のこと覚えてないのか?」
教室の隅に鈍く光る厭らしい眼を思い出した
- 8 名前: ◆Jnl66YxU :04/06/29 00:33 ID:QMaprkWI
- 就職や結婚、そして離婚や死について
アルコールと郷愁にみなが饒舌になっていた
時折斉藤から送られる視線を感じたが
気付かないように話題を見つけては輪に加わっていた
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